(読書)愛着障害の克服 

 

 

愛着障害とは

愛着障害は、子供の頃に適応障害の状況が続いていたことに対する後遺症のようなものである。愛着障害適応障害は本人の問題ではないことが暗に示されるが、病名は苦しむその人に課せられてしまうのが医学的療法の限界。

うつ病とは本来中高年がなるもので、若者のうつ病診断はうつでない可能性が高い。医学的に治療するのでなく、問題の根本を「愛着」という観点からとらえなおすことで、課題を克服する方法もあってよいのではないか。

子供の頃に不安定な愛着パターンを獲得してしまった子供は大人になっても不安定であり、若いほど直しやすい。

 

パターン1 回避型 
親の拒否や無関心、過保護、過干渉。
情緒的なものを切り捨てることで愛情の乏しい環境に適応した人。「感情は、出すだけ無駄」という考え方。自分の身体感覚や感情に鈍感なところがあり、弱音や苦しさを表現したり助けを求めたりしないため、体が悲鳴を上げてしまうことも多い。

パターン2 両価型 
周囲の顔色に敏感で、過剰に愛情や承認を求める。いじめられやすい。いつまでも怒りにとらわれる。

パターン3 混乱型 

虐待されている子供に多い。話が混乱することが多く、精神疾患になりやすい。

※愛情障害はもっぱら母と子の関係において起こり、父との関係では起こらない。


解決策

安全基地の機能を高めることが有効。
薬や包帯をたくさんもらったところで、優しく世話してくれる人がいなければ、元気になる意味さえない。

回避型の場合

悪い子になった自分を突き放された経験から、相手が悪い子になると同じように拒否し、痛めつけないではいられない。幼い頃に身に着けた両極端な過剰反応に原因がある。
また、相手を値踏みする傾向にある。共感に価値を求めない。それよりもっと具体的な問題解決を求める。面倒なことは避けようとするが、回復を求める人の場合は一緒にやり遂げてくれる人を欲している。
仕事や趣味の世界が安全基地になることも多い。居場所ができて周囲から評価されるなど。
→たしかに。仕事。または登山。それが人、になってからの不安定が今。なるほど?

 

両価型の場合
自分で決めるのが苦手でカウンセリングになじむ。根気強くやりたいことを見つけ、それを後押しするのが良い

まとめ

愛着の安定性は、体験した事実そのものよりも、それをどう受け止めるかである。
愛着障害の克服は、自分だけでなく周りの人のためにもなる。(周囲の人にとって自分が安全基地になることができるから。)
ただし、本人に(生が死か)レベルの出来事が起きない限り、解決することは難しい。困難なことは悪いことではない。そういうタイミングでこそ、必要な絆や出会いが生まれやすい。